水上最速

ボート競技は簡単に言えば、テコの原理で後ろ向きに進む競技です。仕組みは簡単ですが、最高で時速20km以上で水上を進むことができ、人力では水上最速を誇る競技です。ボートはよく見るとかなり細い形をしていますが、これは水の抵抗をできるだけ抑えるためです。オールも流体力学の観点から、選手が出した力を逃しにくい形状になっています。この競技に関わる全てのものは、より速く水上を進むためにあるのです。

時速20kmって速くない?と思った人は一度でいいから漕いでみてください。

水の上をすべるような感覚できっとそれ以上のスピードを感じることができるでしょう。

 

究極のチームスポーツ

数多くあるスポーツの中で、ボートは究極のチームスポーツと言われます。ボートにもちろんパワーは重要ですが、オールの動きをぴったり合わせないと艇は速く進みません。オールが水面に入るタイミングや、オールの軌道など繊細な動きと高い技術が必要ですが、全員の動きがあった時の水上を駆ける疾走感はボートの醍醐味です。

ボートに乗っているメンバーをクルーと呼び、特に一番前で漕いでいるメンバーを整調と言います。みんなが整調の動きに合わせることになるので、整調はクルーの中でも漕ぎがうまくなければ務まりません。

 

スカルとスイープ

1人がオールを2本持っている艇のことを「スカル」と言います。1人が1本のオールを持っている艇のことは「スイープ」と言います。スカルはオールを2本扱う分、コントロールが難しく、スイープは艇の反対側を漕ぐ人と息を合わせないといけないので、どちらも慣れるには時間がかかります。

オールの長さはスイープの方が長く、スカルが2.8mであるのに対し、スイープは3.7mもあります。ちなみに艇の長さはエイトで17m。初めて見た人はびっくりするかもしれません。

 

左がスカルオール。右がスイープオール。真ん中に立っているのは身長184cmの部員。

 

レース

基本的にレースは2000メートルのタイムレースで行います。ボートの花形種目で、最速のエイトでは、約6分でゴールできます。写真は日本ボート界の聖地である埼玉県の戸田ボートコースです。全日本級の大会はほぼすべてここで行われます。ここで勝利するため、部員は日々練習に励んでいます。

夕焼けの戸田。コースの左右には各大学の艇庫が並ぶ。

 

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